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【Story】 樹  第3話

第3話
 
 
次の日。
 
部屋に、作り置きの夕食と友達と食事してきます、という書置きをして家を出た。
 
 
待ち合わせ場所に来た、元カレの車のドアを開けると、そこには、以前のままのアンニュイな笑顔の彼がいた。
 
会えて、良かったと、何故だかの安心感の中、食事をして、近況を少し話した。
 
会話の途中でみせる、何か、考えているときの表情も変わらない。
正直、単純には、今までの中で、一番好きになった人だが、時々、何を考えているのか、わからないのは、以前のままだ。
 
 
食事が終わり、車で会話をしていると、顔を近づけてきた。
そして、私の肩を腕をまわす。
 
「あっ」
 
 
5年も、女を休んでいると、敏感になるようで。
感じているのか、
嬉しいのか、
切ないのか、
わからないまま、唇を合わせると、涙が、出てきてしまった。
 
唇が離れて、何もないような心境で、彼の顔をみると、涙に気付いたのか、切なげな表情を浮かべている。
 
 
「今日は、どうする?」
彼の質問に、暫く言葉がでない。
 
 
夜の闇が、二人を隠しているが、何も言えない静寂の中、ふと、空みると、満月だった。
 
今日は、これ位で、自分が一杯なんだな。
と、思うと、これ以上行けないい気がしてきて、
 
 
「ごめん、帰るね。」
と、言葉が出た。
 
彼も、笑顔で、またねと言ってくれた。
 
 
 
 
 
 
 
続く